作者は孔明を奇人変人として書き始めているのですが、いつの間にか蜀の忠臣なっていました。酒見賢一先生から見ても彼は魅力的な人物なのかもしれません。劉備とその仲間たちとの会話がどうしてもあの映画「仁義なき戦い」的な話し方になっていました。。私はあの地方に少し住んでいたせいもあるのか、あそこの人たちは決してあんな話し方はしてません、と声を大にして言いたい。
そして、劉備はあの時代になんのかの云っても一応軍団を率いる人だから、愚図でものろまでも単に運が良いだけの人ではないはずです。それなりにリーダーシップの取れる人なんだけど、三国志演義で担がれているだけに見えるのは時代が下がって、儒教の影響で上に立つ人は聖人君子的になったからでしょう。個人的には曹操が好きです。あのそれまでの社会常識のようなものを壊そうとしているところが魅力的かな。