34歳の娘が20歳年上の男と同棲している所に、娘の父親が同居してくるという話です。老人問題は深くかかわってきています。教員を退職した父親は息子の妻の勧めがあってそこに同居するのですが、孫の教育方針について父親の教員としての経験と息子の妻が衝突します。これはよくある話ですね。世代が違い、世の中の教育に対する関心も異なってきている中で、息子の妻は義父と相いれないことを知り、自分が同居を申し出たにもかかわらず、思いがけないことになったこと、父親がつまらないものをスーパーで万引きをすること、こうしたことから、息子は妹の所に父親を預けることになったのです。が、娘には同居人がいる、という設定です。
父親はふるさとで一人暮らしをしたいといいます。ここで重要な役割をするのが、娘の同居人です。彼は第三者としての立場から、実家での話し合いを提案し実行します。家族のことを外部に出すのはためらいがあります。この場合の同居人はいわば娘の配偶者のようなものですから、外部とは言えないのでしょうが、それでも血縁関係がないことで、しがらみから離れています。家族間で問題がこじれた時には外部の第三者に相談するのも良い方法ではないかと思います。
結果的に、父親は有料老人ホームに入居することを選択します。思ったのは、父親が定年後、老人ホームに入居するまでの間、実家で生活してもらいたかったということです。思い残すことのないように。